RSI(相対力指数)

RSI(相対力指数)の基本

 RSIはパラボリック、DMI(ディレクショナル・ムーブメント・インデックス)を考案したW・ワイルダーが同じく考案したオシレーター系のテクニカル指標で、相場の売られ過ぎ、買われ過ぎを0%~100%の数値で表します。逆張りによる売買のタイミングを簡単な数式で求められることから、テクニカル指標の中では最も人気のあるものとなっています。

RSI(相対力指数)の使用方法

 基本的見方として、オシレーターは上限に近づくほど買われ過ぎ、下限に近づくほど売られ過ぎと判断しますが、RSIも同様です。RSIは0%~100%までの値を示しますので、100%に近づくほど買われ過ぎ、0%に近づくほど売られ過ぎとなります。一般的にRSIにおいては70%以上を買われ過ぎ、30%以下を売られ過ぎと判断します。相場が過熱していると判断する水準を20%や80%とすることもありますし、中・長期の上昇(下降)トレンドが形成されている場面では50%以上(以下)でのレンジでRSIが変動する場合もあり、それを押し目買いや戻り売りの水準とすることもできます。

 RSIによる実際の売買では、逆張り的な発想によるものと、順張り的な発想によるものがあります。逆張り的な発想では、単に30%以下や70%以上といった相場の過熱を示唆する水準をつけた段階で、すぐに買いや売りを入れます。しかし相場はテクニカル指標が示す過熱水準に達しても反転せずに更にトレンドを継続する場合が多くあります。順張り的な発想では、その欠点を克服するために、一旦30%を割り込んだり、70%を超えたりした後で、再び30%を超えてきたり、70%を割ってきたりして過熱感が後退してきそうな時に買いや売りを入れます。RSIはトレンドの転換に関して価格に対して先行する傾向があることから、実際の値動きに対する売買の遅れはそれほど影響しないものと考えられます。それでもなお相場がトレンドに乗った動きをしているときにはダマシとなる場合もあるので、トレンド系のテクニカル指標を併用する必要もあるでしょう。

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RSI(相対力指数)の計算方法

RSI(%) = A / (A + B) × 100

1日目のRSIは、
A=N日間のうち前日比で上昇した日の上昇幅の合計をNで割ったもの
B=N日間のうち前日比で下落した日の下落幅の合計をNで割ったもの
2日目以降のRSIは、
A=(前日のA×(N - 1)+当日の上昇幅)/N
B=(前日のB×(N - 1)+当日の下落幅)/N
となります。なお2日目以降に関しても1日目の計算式と同様の式を用いる場合もありますが、結果はさほど変わりません。日数Nに関してはワイルダーは14日としてますが、売買対象や分析のスパン(分足、日足、週足、月足)によって当てはまりの良さなどあるので、Nを様々に変えて検証する必要があるでしょう。

逆行現象によるRSIの応用

 逆行現象(ダイバージェンス)はRSIに限らずオシレーター系のテクニカル指標全般に有効な手法です。RSIに代表されるように、価格の動きとオシレーターはほぼ同様の動きをします。しかし価格とオシレーターが逆の動きをすることがあります。これを逆行現象といい、中長期的なトレンドの転換を示唆する重要な売買シグナルとなります。

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 上記チャートは逆行現象の例です。AからBへの山が高値を更新し右肩上がりとなっているにもかかわらず、RSIはaからbへの山がaでピークアウトすることにより右肩下がりとなり、逆行現象を示しています。オシレーターは価格に対して先行する傾向があり、つまり今後の下落を示唆しています。実際にその後の相場は下降トレンドを辿っています。CからDが安値を更新し右肩下がりとなっているにもかかわらず、RSIはcからdへの山がcで底打ちすることにより右肩上がりとなり、逆行現象を示しています。これは今後の上昇を示唆しています。実際にその後の相場は上昇トレンドを辿っています。実際の売買のタイミングについては、c-d(上昇を示唆する逆行現象)の場合は、RSIがc-d間の山を上回ってきた時、a-b(下落を示唆する逆行現象)の場合は、RSIがa-b間の谷を下回ってきたときとなります。