円以外の通貨建て銘柄の取引

 国内の取引において原則口座の管理は円によって行われておりますが、指数や円以外の通貨建て銘柄を取引する場合の証拠金や損益はどうなるでしょうか?

国内の先物取引及び取引所CFD(くりっく株365)

 国内の先物取引及び取引所CFD(くりっく株365)では、取引は円建てで行われます。TOPIXやNASDAQ100といった呼値が指数表示のもの、NYダウ、といった米ドル建てについてもそのまま円に置き換えて取引することになります。

店頭CFDにおける円以外の通貨建て銘柄

 円以外の通貨建て銘柄を取引する場合、レバレッジ倍率で割ったその通貨での証拠金額を当該為替レートで円換算した額が証拠金となります。例えば米ドル建て原油先物を原資産とするCFDを取引する場合(前提:取引単位50ロット、現在の価格1バレル=100ドル、1米ドル=120円)、商品CFDですのでレバレッジ倍率は20倍ですから、100ドル×50ロット÷20倍×120円=30,000円が取引単位50ロット(バレル)の必要証拠金となります。なお、証拠金はあくまで拘束される金額で為替レートによって変動はしますが、1ドル120円の時に30,000円が証拠金で、その後反対売買にて決済した時1ドル60円になっていたために15,000円証拠金で損をするといったことはありません。

  •  損益の計算については、銘柄の通貨建てで計算したのち当該為替レートで円換算した額(別途両替手数料などが掛かる場合がある)が実現する損益となります。前述の続きで為替レートには変動なく1バレル100ドルで50ロット新規買い・1バレル120ドルで50ロット手仕舞い売りを行ったとすると、(120ドルー100ドル)×50ロット×120円=120,000円が実現益となります。為替レートの変動は損益部分についてのみにかかわってくるもので、現物売買のような本体部分を含めた取引額全体に掛かってくるものではありません。ただし、損切り時に円安が進んでいた場合は、想定よりも損失額が大きくなることにも留意する必要があります。

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FXクロスカレンシー・暗号資産ペア

 「クロスカレンシー」とは、自国通貨を含まない通貨ペアのことで、ユーロドル(EUR/USD)や豪ドルNZドル(AUD/NZD)通貨ペアのことを指します。暗号資産通貨ペアは代表的なものはETH/BTCで、1イーサリアム(ETH)の価値をビットコイン(BTC)で表したものになります。これらについても「店頭CFDにおける円以外の通貨建て銘柄」の項目で説明したものと同様の考え方です。米ドル建て原油(USOIL/USD)をユーロドル(EUR/USD)やイーサリアム・ビットコイン(ETH/BTC)に置き換えれば理解しやすくなります。

 ユーロドルですと(前提:取引単位1,000通貨、現在の価格1ユーロ=1.1米ドル、1米ドル=120円)、FX(個人顧客)のレバレッジ倍率は25倍ですから、1.1ドル×1,000通貨÷25倍×120円=5,280円が取引単位1,000通貨(ユーロ)の必要証拠金となります。損益の計算については、為替レートに変動なく1ユーロ=1.1米ドルで1,000通貨(ユーロ)新規買い・1ユーロ=1.2米ドルで1,000通貨(ユーロ)手仕舞い売りを行ったとすると、(1.2ー1.1)×1,000通貨×120円=12,000円が実現益となります。

 同様に、イーサリアム・ビットコインですと(前提:取引単位0.01ロット、現在の価格1イーサリアム=0.055ビットコイン、1ビットコイン=2,500,000円)、レバレッジ倍率は2倍ですから、0.055ビットコイン×0.01ロット÷2倍×2,500,000円=1,375円が取引単位0.01ロット(イーサリアム)の必要証拠金となります。損益の計算については、1ビットコインの円建て価格に変動なく1イーサリアム=0.055ビットコインで0.01ロット(イーサリアム)新規買い・1イーサリアム=0.06ビットコイン0.01ロット(イーサリアム)手仕舞い売りを行ったとすると、(0.06ー0.055)×0.01ロット×2,500,000円=125円が実現益となります。