取引の開始と終了
新規注文・仕切注文
取引の開始のことを「新規注文」といいますが、先物取引やCFD・FXも含めて証拠金取引・差金決済取引においては買いから入るだけでなく売りから入ることもできます。新たに「買い」注文を入れることを「新規買い」、新たに「売り」注文を入れることを「新規売り」といいます。新規の商いで注文が成立したものは、先のある時点で「反対売買」を行い差金決済にて取引を終結する必要があります。反対売買を行っていない未決済のものを「建玉(タテギョク、タチギョク)」といい、買いの未決済建玉を「買建玉(カイタテギョク)」、売りの未決済建玉を「売建玉(ウリタテギョク)」と呼びます。単に「買玉(カイギョク)」、「売玉(ウリギョク)」などということもあります。建玉は、「ポジション」とも呼ばれます。
反対売買による差金決済を「仕切り(シキリ)」といいます。仕切りは、買建玉の決済(売り手仕舞い)に関しては「転売(テンバイ)」、売建玉の決済(買い手仕舞い)に関しては「買戻し」によって行います。
基本的な注文方法の種類
新規買い、新規売り、転売、買戻しなどの売買注文を出す際に、「値段にかかわらず今すぐ買いたい」、「○○円以下になったら買いたい」といった基本的な注文方法について説明します。
その前に、市場にはあなた以外にも多くの取引参加者が取引を行っています。同じ注文が既に入っていることも考えられるため、どの注文を優先させるかのルールが必要です。大きく2つの原則に基づいて注文の優先順位が決められます。
1.「価格優先の原則」:買い注文は、新規・仕切を問わず価格の高い買い注文が優先されます。売り注文は、新規・仕切を問わず価格の安い売り注文が優先されます。
2.「時間優先の原則」:同じ値段の買い注文は、新規・仕切を問わずより早い時間に出された注文が優先されます。同じ値段の売り注文は、新規・仕切を問わずより早い時間に出された注文が優先されます。
実際に注文を行う場合、上記注文に加えて約定条件や有効期限を併せた形で発注する必要があります。先物取引を取り扱う大阪取引所や東京商品取引所で違いがあるほか、各取次業者でも異なりますので、基本的な内容のみ記載します。
約定数量条件
約定数量条件は、その注文の数量の一部のみ成立した(することになる)場合において、成立しない残数量の扱いを指定するものです。
種類 | 内容 |
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FaS(Fill and Store) | 発注した売買注文の一部が約定しない場合、未約定の数量は引き続き有効とする。 |
FaK(Fill and Kill) | 発注した売買注文の一部が約定しない場合、未約定の数量は失効させる。 |
FoK(Fill or Kill) | 発注した売買注文が直ちに全量約定しない場合、その注文の全部の数量を失効させる。 |
有効期限
有効期限は、その注文がいつまで有効とするかを指定するものです。
種類 | 内容 |
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GFD(Good for Day)・当日 | 先物取引においては、そのセッション(日中立会のみ、もしくはナイトセッションのみ)の間注文が有効となる。その他の証拠金取引では、1計算区間が終了するまで有効となる。 |
GTD(Good Till Date)・日時指定 | 有効期限までを日数で指定、もしくは特定の日付で指定し、その間注文が有効となる。 |
GTC(Good Till Cancel)・無期限 | 期限のある先物取引では、その限月の取引最終日まで注文が有効。その他ものは取り消しをしない限り有効であり続ける。 |
週末 | 発注したその週の最終営業日終了まで注文が有効となる。 |